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韓流20周年の軌跡と奇跡1「『冬のソナタ』誕生!」

  • 2023/1/1 syukakusha
 

 

今年は韓流20周年に当たる。NHK・BSで『冬のソナタ』が2003年4月から放送されたことを契機にして、日本で爆発的な韓流ブームが起きるようになった。以来20年、その間にどんなことが起こったのか。「軌跡と奇跡」をリポートしていこう。

画像=Pan Entertainment


『冬のソナタ』のストーリー

美しい水辺の風景をもつ春川(チュンチョン)市の高校。活発な高校生ユジン(チェ・ジウ)の前に現れた転校生の名はチュンサン(ペ・ヨンジュン)と言った。どこか陰がある美男子だった。恋に焦がれるユジンは徐々にチュンサンに惹かれていった。
気が気でないのは幼なじみのサンヒョク(パク・ヨンハ)で、ユジンとチュンサンの仲を苦々しく見つめている。さらに、美貌を誇るクラスメートのチェリン(パク・ソルミ)もチュンサンを狙ってユジンに激しい対抗心を燃やしていく。
春川に初雪が降った日、ユジンとチュンサンは初めてデートをして、雪の景勝地で忘れられない一日を過ごす。二人の愛が深まっていくはずだったのだが、チュンサンは交通事故に遭ってユジンの前から姿を消す。涙も枯れるほど嘆き悲しむユジン。初恋は淡く終わった。
それから10年後。ユジンはソウルで建築設計士になっていた。サンヒョクと婚約もして結婚間近だった。


しかし、ソウルに初雪が降った夜に街角でユジンはチュンサンと生き写しのミニョンを見かける。彼はチェリムの恋人だった。二人はパリで知り合ったという。ミニョンがあまりにチュンサンと似ているので激しく動揺するユジン。しかも、ユジンは偶然にもスキー場の再開発プロジェクトを通してミニョンと同じ仕事をする運命となる。
お互いに惹かれていくユジンとミニョン。サンヒョクはユジンを取り戻そうとミニョンと対立し、チェリムもユジンの横恋慕を厳しくなじる。
ここから物語は複雑に入り組んでいく。実はミニョンはチュンサンその人だったのである。記憶喪失に陥っていたミニョン自身も自分がチュンサンであったことがわからなかっただけなのだ。
死んだはずの初恋の人が生きているとわかって、ユジンは失われた10年を取り戻したような幸福感を味わう。しかし、ユジンおよびサンヒョクの父とチュンサンの母の3人が高校の同級生であった事実がわかり、チュンサンの出生の秘密が少しずつ明らかになっていく。ユジンとチュンサンの恋の行方は……。
韓国のKBS(日本のNHKに相当する公共放送)で2002年1月から3月まで放送された『冬のソナタ』(原題は『冬の恋歌』)は、様々な社会現象を起こすほどの一大ブームを巻き起こした。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

 

 

韓流20周年の軌跡と奇跡2「韓国での『冬のソナタ』の大ブーム」

  • 2023/1/2

『冬のソナタ』でチュンサン役を演じたペ・ヨンジュンとユジン役を演じたチェ・ジウの劇中の髪型が韓国で異様な人気となり、美容院にカップルで訪れて2人の髪型に変える男女が続出した。栗色で髪の先がゆるやかなウェーブを描くペ・ヨンジュンの髪型は仕上げが難しいにもかかわらず、美容院に女性を同伴した男性が次々と注文していくほどだった。

画像=Pan Entertainment


まさにシンドローム

古風なショートカットのチェ・ジウの髪型は、個性を目立たせるスタイルではないのだが、女性が競って真似し始めた。
人気美容院のヘアデザイナーも「毎日20人も同じ注文をする。確かに、ドラマが人気を得れば女性が主人公の髪型と同じにするケースはあるが、男性がドラマの登場人物の髪型を真似るのは初めて」と驚くほどだった。
韓国でブームとなったのは髪型だけではない。パステルカラーの襟巻き2枚を重ね合わせるファッションや、劇中で重要な役割をするポラリス(北極星)型のネックレスも大人気となり、襟巻きやネックレスの生産が追いつかないほど売れた。
ドラマのホームページは数週間で1000万件以上のクリック数があり、主題歌も携帯電話の着信メロディーの定番となった。まさにシンドロームと言えるほど爆発的人気を博したのである。
なぜ、これほど韓国で『冬のソナタ』が大ヒットしたのか。


それは、テレビドラマに必要な人気要因が、あますところなく盛り込まれていたからだ。ストーリーのおもしろさ、俳優の魅力、心に響く挿入音楽、演出を担当したユン・ソクホの仕掛けの巧みさ……など。特に、婚約者と新しい恋人の間で揺れる女心を細かく抒情的に描いていく演出は見事で、背景となる風景の美しさもドラマの展開に彩りを与えていた。これほど質の高い作品を生み出すのだから、韓国のテレビドラマ作りは確かに底力がある。
同時に、おもしろくするためには「なりふり構わぬ」という韓国流のバイタリティも強く感じた。とにかく、ストーリーが並ではない。
チュンサンの場合は、二度も交通事故に遇い、記憶喪失に陥り、ユジンと異母兄弟の関係を疑われる。こうした展開が視聴者の関心を呼んでいたのは確かだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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