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不朽の名作『冬のソナタ』感動的な最終回のロケ地、慶尚南道・外島の「不可能の家」を訪ねる【韓ドラから始める韓国旅行】の画像『冬のソナタ』最終回のロケ地、慶尚南道・外島にある「不可能の家」

不朽の名作『冬のソナタ』感動的な最終回のロケ地、慶尚南道・外島の「不可能の家」を訪ねる【韓ドラから始める韓国旅行】

小暮真琴(ビョン)
小暮真琴(ビョン)
2024.4.10

 今から20年前の2004年、NHK地上波で放送された『冬のソナタ』を見て、私の人生は大きく変わった。

 それまで未知の世界だった韓国との出会いがそこにあった。チョン・ユジン(チェ・ジウ)とカン・ジュンサン(チュンサン/ペ・ヨンジュン)の織り成すラブストーリーは、古典的だが胸を締め付ける要素がふんだんに盛り込まれていた。(以下、ネタバレを含みます)

■『冬のソナタ』最終回のロケ地、慶尚南道・外島への旅

『冬のソナタ』では、特に終盤から最終回にかけての感情移入が半端ではなかった。

 ユジンはチュンサンとの別れ際に「不可能の家」の模型を渡す。ユジンが設計したものの、コストがかかりすぎて実現させるのが難しいといわれた家だ。

 チュンサンと別れて3年後、パリ留学を終えたユジンは、自分が設計した「不可能の家」が実在することを知り訪ねてみる。するとそこにはチュンサンの姿が……という感動的なラストシーンだ。

 この場面の撮影が行われたのは、韓国南東部・慶尚南道にある外島(ウェド)という島だ。

 済州島に次いで韓国で2番目に大きい巨済島(コジェド)本島から4キロほど離れた場所にあり、閑麗(ハルリョ)海上国立公園に属している。

 島全体が「外島ボタニア」という個人所有の巨大庭園として、年間100万人以上の観光客が訪れる人気の観光スポットだ。

 外島に釣りに訪れた夫婦がこの島にひとめぼれし、1969年に不毛の地だった岩島を購入。何年もかけて亜熱帯植物を植樹し、1995年に外島海上農園として開業したことが外島ボタニアの始まりだった。

 面積は14万5千平方メートルと、東京ドームの3倍の広大な庭園で、開業から現在までに2千万人あまりの観光客が訪れているという。

 2014年に続き、10年ぶりに私が企画した韓国地方旅ツアーの参加者とともにこの島を訪ねた。

 巨済島の中東部にある長承浦港を出港後、カモメにセウカンというエビせんべいをあげたり、韓国版「青の洞窟」と呼ばれる海金剛(ヘグムガン)を見学したりしながら、約1時間で外島に到着した。

外島へ向かうフェリーに韓国版「かっぱえびせん」のセウカンを求めてたくさんのカモメが群がる
4つの岩の隙間が十字を描く海金剛は、韓国版「青の洞窟」と呼ばれるほどコバルドブルーの海が美しい
 

■外島ボタニアのオーナーが幸せに暮らす「不可能の家」

 長い坂を上ると、広大な洋風庭園に到着する。その突き当りに見える白い建物こそが、『冬のソナタ』最終回で感動的な舞台となった「不可能の家」だ。

 本来外観しか見学できないのだが、今回特別に内部を拝見する許可をいただいた。建物に足を踏み入れた瞬間、『冬のソナタ』最終回の名シーンが目の前に現れた。カタンと音を立てたユジンに対し、チュンサンが「ヌグシチョ?(どなたですか)」と尋ねるあの場面だ。

『冬のソナタ』最終回のチュンサンとユジンの再会シーンがよみがえる「不可能の家」内部

 驚いたことに、建物の中では外島ボタニアのオーナーであり、この家の住人でもあるチェ・ホスクさんが私たちを待ち受け、大歓迎してくれた。

 他界したご主人は元高校の数学教師、ホスクさんは元小学校の先生と、ガーデニングには全くの素人だったそうだ。ホスクさんが大好きだったアメリカの雑誌を参考に、この島の庭園のデザインをすべて手掛けたという。

「毎日忙しくてドラマを見る時間などなかったので、『冬のソナタ』が映画なのか音楽なのかもわからなかった」と、『冬のソナタ』の撮影オファーが来た時のエピソードを語ってくれた。

 台風の季節が最も大変だという島での暮らしについて、時折ご主人の悪口を交えながらユーモラスに話してくれた。

「皆さんはまだまだ若いんだから、夢を持って生きなさい。私は今とても幸せな気持ちでここで暮らしています」

 素敵な年の重ね方をし、優しい笑顔で語ってくれたホスクさんの言葉が、とても印象的で胸に染みた。

外島ボタニア内の西洋庭園はすべてオーナーであるチェ・ホスクさんがデザインした
 
 
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